5/16 The 7日目。

さて。
疲れてるはずなのにいつも通りの時間に起きるあたし。7時半。
テレビがついててパパがソファで寝てる。
冷蔵庫に牛乳がない。
朝飯スキップだ。コーヒーだけ飲もう。
ニュースを見ながらウダウダしてるとパパ起きる。
アイリが寝てるからタバコ吸えないなぁ、とかブツブツ言ってるから、どこにアイリいたっけ??と辺りを見回すとクラムのベッドのところの床に寝てた。床…。てっきりクラムが寝てると思ってたし。
しばらくするとジェイソンが仕事を終えてやって来て、アイリを抱き上げてソファに座る。
ああ、実際に見ても変な感じだ。子供だったジェイソンがすっかりいいパパだ。
ジェイソンの膝の上で目を覚ましたアイリはすっかりご機嫌。そうよね、3日も会えなかったんだから。実際のところ、ジェイソンとアイリのママは破局して別のところに住んでるから、どのくらいの頻度で会えてるのか分かんないけどね。
もう全然ジェイソンから離れない。ジェイソンがシャワーを浴びようとすると、一瞬でも離れたくないのか、一緒にシャワーするー、と泣き叫ぶ。
パパと一緒にシャワーを浴びるにはお前はもう大き過ぎるんだよ、とたしなめられている。
は?そうなの?三才ってもう異性と風呂に入るには大き過ぎるの?
んー。日本では何歳まで一緒に入ってくれるんだろなー、とかよく言われてるのにね。
あまりに泣くのでジェイソン妥協案。分かったよ、海パン履くから一緒においで、とな。良く分からん感覚だが、泣く子が黙ればそれでいいや。
シャワーから出て来たアイリに服を着せ、髪をまとめてあげる。
帰ろうとしたジェイソンがチャイルドシートがないことに気づき、ママの職場まで取りに行く間少しまた泣いたりもしたけど、子犬を抱かせれば基本喜ぶことを把握したので扱いやすい。
元気にバイバーイと帰って行った。
もうお昼近く。
お腹すいた…。
近くのスーパーまで歩く。確か隣に中華料理屋があったのよね。
って行ってみると、営業日で営業時間内なのに誰もいないし開いてない。何だよ。
したらばスーパーで何か買うかなぁ。
ぶらぶらする。特に買うものがない。
あ、二日酔いに効果のあるイブプロフェンは買っておかなくっちゃ。

酒飲みプロフェッショナルのティファニーによれば、これさえあれば怖いものなしだそうだ。
隣のタコベルまで行ってブリトーを一個買って、タラタラ家に帰る。いいんだ。あたしゃタコベルがとても好きなんだ。日本から撤退したのが残念でならないんだ。

ああ、ブリトー。安くて美味い…。
やっぱり疲れてるんだよな。
ガールズと同じ動きしてたんだもの。
ということでソファに座って動かない。
ドクターフィルだのジャッジジュディだの、何となく内容が分かり易いテレビを流しておく。
Facebookにパーティーの写真をアップしたり、ガールズの書き込みにコメントしたり。日記をチマチマ書いたり。ガールズとお友達になったが故に、先週とは気分が違う。遊びに来た先にお友達が一人と十人では、天と地ほどの差だよね。
夕飯はトマトソースパスタとガーリックトースト
日本人ってパスタ好きだよね、スパゲッティって和食じゃん、なんて話しながら美味しくいただく。フォークにクルクル巻き付けると案の定、変な食べ方ー、と言われる。いや、あなた方のぶつ切りにする食べ方も変ですよ。
パパとママがお金がないことで言い争うのも、エレンが半分寝ながらも彼氏と電話をやめないのも日常茶飯事。
生活にガッツリ余裕があるのなんて世の中の一握りだし、女子高生は長電話するもんだ。
ママが家族の話をしてくれた。
あたしもママのママ、グランマには何回も会ったことがあるし、いろいろ連れて行ってもらったりもした。何年かまえに亡くなったと聞いた時はとっても悲しかった。
グランマは優しくて明るくてチャーミングだった。今よりももっと英語が分からない時期だったけど、グランマの話してることだけは、かなり解り易かった。
グランパとグランマは二人ともアメリカ人だけどドイツで出会い結婚。ドイツでは教会での結婚式は一般的ではないので手続き的なことと写真撮影だけは行い、スイスまで行き教会での結婚式も行った。
グランパは軍隊にいたので、コロラド、アラスカ、テキサス、カリフォルニア、オハイオ、など点々とし、除隊後ここシーリーズにしばらく住み、ソノラに居を構えた。
グランパとグランマは離婚をし、グランパは一時期別の女の人と結婚したりもしたけど、結局グランマと再婚した。その時も結婚式をしてるから、三回結婚式をしたのよ、という話だった。
49年前と26年前の結婚式の写真はどれもキレイで、微笑みながら優しい眼差しを向けるグランマが映ってた。
そういやパパのパパ、グランパも最近再婚してコロラドに引越したんだよなぁ。前はこの近所に住んでたから、すぐ会えると思ってたのに。
年取ってもやっぱりパワフルだよなぁ。
そして夜は更け、あたしは寝床に入るのでした。